松江市膵がんプロジェクト

松江市膵がんプロジェクトについて

膵がんの5年生存率は8%未満と他のがんと比べて不良です。その最大の原因は早期発見が困難なことであり、大学病院等の専門施設で集計したデータでも、5年生存率5%未満であるstage III/IV症例が、全体の2/3を占めています。その原因の1つとして、プライマリケア医(開業医)から基幹病院への紹介までの期間超過があります。松江市医師会は、プライマリケア医が膵がんを見落とすことなく、適切な時期に総合病院に紹介することを主眼とした“松江市膵がんプロジェクト”を2018年6月より実施しています。

プロジェクトの活動(成果報告)

方法

症状(腹痛、背部痛、体重減少)、リスク因子(糖尿病、喫煙、飲酒、膵がん家族歴、肥満、慢性膵炎の既往歴、膵のう胞)より精査が必要な患者さんを拾い上げ、腹部エコー、腫瘍マーカ採血を行い、異常所見を認めた場合に、基幹病院でダイナミックCT、MRCP、超音波内視鏡のいずれかで精査します。

成績

松江市膵がんプロジェクトによる、膵がん発見率は6.8%で、いずれも1ヶ月以内にプライマリケア医より基幹病院へ紹介されています。発見時のステージは、stage IA/IIA/IIB/III/IV 2/7/2/1/4例で、半分以上の患者さんが手術できる状態で発見することに成功しました。このことは、松江市医師会では、精査対象となる患者さんに受診頂ければ、プライマリケア医でも膵がんを手術ができるステージで発見できることを表しています。 また、松江市膵がんプロジェクトでは、膵がんを発病する危険性がある患者さんを丁寧に経過観察することを心がけています。その結果、3名の膵がんを、いずれも手術ができるステージで発見することができました。

松江市は早い段階で膵がんを見つけます!